春を呼ぶ、奈良・若草山の山焼き

30分ほどでほぼ焼きつくし、点火した山伏たちも無事を見とどけて下りてくる。

山麓は一般に開放され、続々と観光客がやってくる。

花火が終わると同時に山伏や消防団員らによって一斉に枯れ草に点火され、静かな山が火に包まれる。

夕刻、点火用の松明を運ぶ聖火行列が山麓の野上神社に到着、山焼きの無事を祈る祭典が始まる。

壮大な山焼きの光景(一部合成)

 春を呼ぶ奈良の伝統行事、若草山の山焼きが1月24日に行われ、「四日市遺跡と文化財を訪ねる会」のツアーに参加して見学した。この日は朝から雪が舞う寒い日であったが、午後には晴れ間も見え、山焼きが始まるころには快晴、壮大な火祭りが演出された。
 若草山焼き行事の起源には諸説あるが、三社寺(春日大社・興福寺・東大寺)の説によると、若草山頂にある前方後円墳の霊魂を鎮める祭礼とのこと。  このほか若草山一帯をめぐる春日大社・興福寺・東大寺の領地争いがもとであるなどの説、あるいは春の芽生えを良くするための原始的な野焼きの遺風を伝えたものであるという説もある。 現在は観光行事としてはもちろん、火災予防のための役割も果たしており、約33ヘクタールの全山に火がまわり、冬の夜空に山全体が浮かびあがるさまは壮観である。

詰めかけた大観衆…後方は奈良市街

祭典を終えた3社寺の松明が点火場に向かい、大松明に点火されると、次々と花火が打ち上げられる。