見上げれば、歴史遺産

「うだつのあがる美濃の町」散策

 見上げれば歴史遺産うだつのあがる町並みとして知られる美濃市(岐阜県)を訪ねた。
「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことで、美濃市には日本で最も多くこの「うだつ」が残っている。裕福な家しか「うだつ」を造ることができなかったため、庶民の願望から「うだつを上げる・うだつが上がらない」の言葉もできた。
 またこの町は古くから美濃和紙の産地として栄え、町並みには江戸〜明治時代にかけて造られた問屋などの商家が軒を連ね、古いたたずまいを見せており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

この町は丘の上に位置するため、水害や地震には強い反面、水利に乏しく火災には弱かった。そこで屋根の両端に防火壁の「うだつ」を上げたり、屋根上に火防神を祀ったりした。
 この優れた意匠や造形の「うだつ」も火災を防ぐ先人たちの知恵から生まれた伝統美なのである、 

国指定重要文化財・小坂家住宅…小坂家は江戸時代から続く造り酒屋で、今も住居・店舗として営業、見学者も多い。屋根全面に起り(むくり)を持つ美しい景観が特長。

うだつの上がる家の住人たちがボランティアガイドとして見学者たちを案内している。

 見学者がいるのが美濃市を代表する商家の一つ、今井家。今井家は代々兵四郎を襲名し、江戸時代末期には庄屋も勤めた古い家柄。今は市の史料館として一般開放されている。

競い合う「うだつ」