とこしえに

知覧特攻平和会館

鹿児島の観光?スポットとしていつも賑わっているのが知覧の特攻平和会館である。この日も多くの人が訪れ、特に若い人たちが目に付いた。
 太平洋戦争の末期、本土最南端の知覧飛行場からは、爆弾搭載の飛行機もろとも肉弾となり、一機一艦の突撃を敢行した陸軍の特攻隊員約1000名が飛び立って行き、帰らぬ人となった。
 知覧特攻平和会館は人類史上類のない陸軍特別攻撃隊の遺影、遺品、遺書、記録等貴重な資料約4.500点が保存・展示されており、多くの人が母や妻などに当てた数々の遺書に涙していた。

鹿児島・ぶらり旅

み霊のとこしえに安らかならんことを祈りつつ  りりしい姿を永久に伝えたい心をこめて
ああ、開聞の南に消えた勇士よ

 沖縄特攻で華と散った若者1.036柱の至情至純の霊が「とこしえ」に安らかならんことを祈念して昭和49年、全国からの浄財で建てられた特攻銅像と母の像。

宿泊した鹿児島駅前のホテルから見た朝の桜島…霞の上に山並みが美しく浮かんでいた。

鹿児島ぶらり旅…といっても、のんびり一人旅を楽しむ境遇ではない。関係する地域団体の懇親旅行に同行したもの。行き先は「薩摩の小京都・知覧たっぷり散策」というツアーの名のとおり、武家屋敷が並ぶ知覧の町並みと特攻平和記念会館、東洋のナイアガラといわれる曾木の滝、鹿屋航空基地・史料館などをじっくり見学した。

 

散華した特攻隊員に思いを馳せて…

別れの盃

出撃を見送る女学生

深い緑に包まれた知覧の武家屋敷群

15歳、予科練入隊前の私

出撃20分前の腹ごしらえ

鹿児島空港に到着後、最初に訪ねたのが東洋のナイアガラと呼ばれている曾木の滝。場所は県北部の大口市内、滝というと奥深い山中にあるものだが、この曾木の滝は川内川の上流に位置する比較的平坦な地にあり、滝幅は210m 高さ12mと幅広い大滝。落差はそんなにないものの、岩肌の流れは激しく、ナイアガラと呼びたくなるのもうなづける。バスガイドさんの説明では、日本の滝百選に選ばれなかったのは上に見える橋が景観を阻害しているからとのことだった。
 そこで下の3枚は橋をカットしてみた。

東洋のナイアガラ・曾木の滝

薩摩半島の最南端、指宿温泉で砂蒸し風呂で疲れを癒し、知覧に向かう途中に見かけた開聞岳…円錐形をした美しい山容は薩摩富士と呼ばれている。

大隈半島と陸続きとなった桜島に近づくと、大噴火の恐ろしさを実感する光景が展開する。

休憩した道の駅「たるみず」で足湯を楽しみながら眺める桜島

名古屋を飛び立つときは梅雨空であったが、間もなく晴れ上がり、着陸寸前、桜島が全容を見せた。

鹿児島のシンボル・桜島

 ここ平和会館でもっとも感動させられたのは、特攻隊員の遺書・絶筆である。沖縄特攻で散華した隊員は1036人、その多くの人たちの遺書が肉筆やコピーで展示されている。家族や恋人への手紙はペンで、絶筆は墨で書かれ、その達筆にも当時の教育が偲ばれる。
 私も戦時に義務教育を受け、空に憧れたひとりで、敗戦間際の数ヶ月、予科練を体験した。もう1年戦争が長引いていたら同じ運命にあったかもしれない。それだけにこれらの遺書・絶筆には胸をしめつけられる思いであった。家族・知人のことを思いやり、祖国のために必ず敵艦を撃沈すると誓い、死と直面していても決して弱音を書かず、桜のように短い人生を精一杯生き抜いて散華していった純粋な若者たちの姿が脳裏に浮かぶのである。

 桜島は鹿児島のシンボルである。錦江湾をはさんで市街の眼前にそびえる活火山で今も噴煙をあげている。桜島は北岳、中岳、南岳からなる複式火山で、南岳(標高 1117m)は現在も活動中。もともと正真正銘の島であったが、大正3年(1914)の大噴火で大隅半島と陸続きになっており、一周道路が整備されている。。

出撃前夜、腕相撲でひと時を過ごす

展示されている特攻隊員の遺影

飛び立つ日を前に、寄せ書きを書く隊員たち

三角兵舎 翌日に飛び立つ特攻隊員が過ごした三角兵舎が復元されている。松林の中に目立たないように屋根が低く作られており、翌日に飛び立つ特攻隊員が食事をし、酒を飲み、就寝するとすすり泣く声が止まらなかったという。 兵舎の中には実際に使われた毛布や鉄兜が当時のままにおかれており、訪れた人々の捧げた千羽鶴も飾られていた。

展示されている若き隊員たちの姿

平和会館の入り口には特攻隊員と母の像が建てられている。この日も多くの高校生たちが記念写真を撮っていた。

知覧は「薩摩の小京都」といわれ、生け垣と石垣が美しい武家屋敷が、深い緑に包まれていた。知覧の武家屋敷は薩摩藩の外城としての役割を果たす目的で、250年ほど前に造られたもので、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
 武家屋敷の門を入るとまず目に付くのが庭の美しさ。今も7つの庭園が昔ながらの姿で保存されており、国の名勝に指定されている

宿泊した鹿児島駅前のホテルから見た朝の桜島…霞の上に山並みが美しく浮かんでいた。